リモートワーク(テレワーク)における就業規則の重要なポイント14個

最終更新日: 2020/05/12 10:45
悩む男性

在宅勤務を実施するにあたって、事前にリモートワークにおける就業規則を明確に定めておくことは非常に重要です。本記事では、企業の経営者や人事労務担当者に向けて、リモートワークにおける就業規則の重要なポイントを簡潔に解説しています。

※この記事は、日本テレワーク協会 テレワークに関わる勤務規則例厚生労働省 テレワークモデル就業規則の内容を参考にし、それを更に簡潔に解説したものです。

リモートワークを実施するために就業規則は必要か

悩むスーツの女性

通常勤務とリモートワーク勤務において、労働時間や諸々の労働条件が全く同じであれば、新たにリモートワークに関する就業規定を設けたり、就業規則を変更する必要はありません。

しかし通常は、リモートワークを実施するとなると、例えば社員に自宅での通信費を負担させるなど通常勤務では生じないことが発生するのが当然であり、就業規則の追加や変更が求められます。

後にリモートワークの就業規則を考えるにあたって重要な14のポイントについて解説していきますが、その中でも特にしっかりと定めなければならないのは次の3点です。

  1. リモートワーク勤務を命ずることに関する規定
  2. リモートワーク用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定
  3. 従業員の通信費の負担に関する規定

尚、就業規則の変更や追加を行なった場合は、従業員代表の意見書を添付し、所轄労働基準監督署に届出をすると共に、全従業員にしっかりと周知させる必要があります。

リモートワークにおける就業規則の14ポイント

プレゼンするスーツの女性

目的

リモートワークを実施する目的を明確に定め、全従業員に共有しましょう。目的が全社的に共有されていないと、従業員のやる気や生産性の低下に繋がりかねません。

対象者

リモートワークの対象者を明確にして共有しましょう。例えば「正社員」「コンテンツグループの従業員」「勤続年数1年以上で自宅での作業が円滑に行えると認められる者」「自宅の作業環境、セキュリティ環境、家族の理解がいずれも適正な者」「育児や介護などにより出社が困難な者」など。

場所

従業員がリモートワーク場所を明確にして共有しましょう。通常は従業員の自宅になるかと思います。

雇用契約書の「就業の場所」に記載がない場合は、「リモートワークを行う場合は従業員の自宅、もしくは自宅に準ずる場所」などと記載しなければいけません。

申請方法

リモートワークを希望する従業員が申請を行い、リモートワークを遂行するにあたって適正かどうかを判断し、実際にリモートワークを行うまでのプロセスや評価方法を定めて、全従業員に共有するようにしましょう。

労働時間、残業

リモートワーク時における労働時間や残業に関する規定を定めましょう。

リモートワークにおいては通勤時間の分だけ可処分時間が増えるため、沢山残業して残業代を稼ごうとする従業員も多いと思いますが、残業の申請方法、残業が認められる理由、1日の残業時間の上限と下限などはしっかりと明示しておく必要があります。

始業と終業の連絡方法

リモートワーク時の始業と終業の連絡事項を事前に定めておきましょう。一般的には、電子メールやslackなどのチャットツールを用いて連絡を行う企業が多いようです。

勤怠管理

リモートワークにおいては常時顔が見えないため、勤怠管理が難しいというデメリットがあります。だからこそ、勤務する上での基本的なルールを定めておきましょう。

例えば、どのような時に離席を認めるか、何分以上の離席であれば報告する必要があるか、業務の進捗具合の報連相はいつどのような時に行うのか、など。

こうしたルールは所属部署によって不利益が生じないようにするために全社共通であることが望ましいですが、やむを得ない時は部署ごとに若干異なっていても構いません。

緊急時の連絡体制

リモートワークの際に生じた災害時などにおける緊急連絡方法や取るべき行動について定めておく必要があります。情報通信機器に不具合が発生した時の問い合わせ対応先も共有しておきましょう。

情報セキュリティ

厚生労働省の情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドラインなどを参考にして、情報セキュリティに関する規定を定めておきましょう。

特に、機密情報の秘密保持に関する事項やパソコンの取り扱いルールなどに留意するようにしてください。個人情報を取り扱う業務であれば尚更です。

誓約書に署名をとらせるなどして、従業員に改めてその重要性について再確認させるのも良いのではないかと思います。

費用負担

リモートワークにおいては、通信費や水道光熱費はもちろん、業務に必要な郵送費、事務用品費、消耗品費などの負担を従業員に強いる場合もあります。それらの費用を会社がどこまで負担するのかを明確に定めておくことが大切です。

定期会議、回覧物

web会議システムを用いた定期的なミーティングや1on1などのルールを定めましょう。

回覧物に関してはできるだけ電子化し、サーバーに保管して、チャットツールや電子メールで通知するのが望ましいと言えます。

人事評価制度

既存の人事評価制度でリモートワーカーに不利益が生じないかどうかをよく検討し、不適切ならば改める必要があります。

リモートワークでは成果主義で評価が為されやすくなる傾向がありますが、常時仕事をしている姿が見えない中で、具体的にどのように従業員の働き具合を評価していくのかは、しっかりと全社員に共有しておかなければいけません。

給料、通勤手当

通常はリモートワークだからと言って給料を下げることはありませんが、明確な理由があり、リモートワーク時においてのみ給料の変更を行う場合は、その理由を従業員がきちんと納得する形で説明しなければいけません。

通勤手当はリモートワークの頻度によって、通勤定期か実費清算(出社した分の交通費を支給する)かを決めてください。ただし、後者の場合は会社に出社しない場合やリモートワークの場合に交通費を日割にする旨などの規定が必要です。

労働災害

リモートワーク時における労災保険の適用に関しても、従業員にしっかりと説明・周知を行なっておきましょう。

一般的には、在宅勤務時でも業務起因性・業務遂行性が認められれば労災保険は適用されます。(就業規則に定められた業務を適切に遂行していて、明らかにその業務が原因で被った怪我や病気など)

まとめ

以上「リモートワーク(テレワーク)における就業規則の重要なポイント14個」でした。

リモートワークにおける就業規則に関しては、できるだけ早く作成し、従業員に周知を行い、従業員が余裕を持ってリモートワークのための準備を行えるようにしましょう。

経営者側と労働者側でリモートワークに関する共通認識を適切に持っておかないと、生産性や業績の低下のみならず、機密情報の漏洩などにも繋がってしまう恐れがあるので、就業規則は非常に重要です。

参考にした資料

日本テレワーク協会 テレワークに関わる勤務規則例
厚生労働省 テレワークモデル就業規則

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リモートワークのメリットとデメリット

リモートワークに必要なもの

リモートワークでの働き方

経営層・マネジメント層がリモートワークで考えるべきこと

リモートワークの概要など

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